OVERVIEW
日本のスキー場の概要
日本のスキー場は、北海道、東北、上信越、北陸、中部地方を中心に発展してきた。世界的に見ると、日本の山岳地形は北米やヨーロッパほど巨大ではないものの、日本海から流れ込む季節風によって大量の雪が降り、軽く乾いた雪質が形成される地域が多い。北海道のニセコやルスツ、長野県の白馬・志賀高原・野沢温泉、新潟県の苗場・かぐら・妙高などは、国内外から多くのスキーヤーが訪れる代表的なエリアとなっている。
日本の特徴は、天然雪、温泉、地域文化、鉄道や高速道路からのアクセス、コンパクトなリゾートが共存していることである。一方で、リフト券価格の上昇、設備更新、人材不足、気候変動、地域による来場者数の差など、スキー場運営を取り巻く環境も変化している。本ページでは、異なる特徴を持つ日本の主要スキー場を6つの指標で比較し、日本のスキー市場を多角的に整理する。

DATA COMPARISON
日本のスキー場ランキング
ランキングは、スキー場の優劣を一つの基準だけで決めるものではありません。標高差は縦方向の滑走規模、最高標高は雪質や営業期間、コース数と面積は選択肢の広さ、リフト券価格は利用コスト、来場者数は集客規模を見るための指標です。数値の定義や集計方法は施設ごとに異なるため、各表の注記もあわせてご確認ください。
都道府県別スキー場数ランキング
日本のスキー場は、積雪量が多く山岳地形に恵まれた北海道、長野県、新潟県、東北地方を中心に分布しています。ここでは、都道府県別のスキー場数を「多い順」と「少ない順」に分けて比較します。
| 順位 | 都道府県 | スキー場数 | うち索道あり |
|---|---|---|---|
| 1 | 北海道 | 143 | 87 |
| 2 | 長野県 | 58 | 57 |
| 3 | 新潟県 | 46 | 44 |
| 4 | 山形県 | 30 | 20 |
| 5 | 秋田県 | 21 | 12 |
| 6 | 群馬県 | 20 | 19 |
| 7 | 青森県 | 18 | 12 |
| 8 | 福島県 | 17 | 17 |
| 8 | 岩手県 | 17 | 14 |
| 10 | 岐阜県 | 15 | 15 |
| 順位 | 都道府県 | スキー場数 |
|---|---|---|
| 1位タイ | 愛知県 | 1 |
| 1位タイ | 大分県 | 1 |
| 3位 | 静岡県 | 2 |
| 4位タイ | 愛媛県 | 3 |
| 4位タイ | 島根県 | 3 |
| 4位タイ | 栃木県 | 3 |
| 4位タイ | 山梨県 | 3 |
| 8位 | 岡山県 | 4 |
| 9位タイ | 福井県 | 5 |
| 9位タイ | 鳥取県 | 5 |
※少ない順の表は、スキー場が1施設以上確認された都道府県を対象とし、0施設の都道府県は含めていません。「スキー場数」と「索道を備えた施設数」は集計条件が異なる場合があります。休止中の施設、簡易ゲレンデ、リフトを使用しない施設などを含むかどうかによって数値が変わるため、掲載時点の調査条件と出典をあわせてご確認ください。
標高差ランキングTOP10
| 順位 | スキー場 | 標高差 |
|---|---|---|
| 1 | かぐらスキー場 | 1,225m |
| 2 | 妙高杉ノ原スキー場 | 1,124m |
| 3 | 野沢温泉スキー場 | 1,085m |
| 4 | 竜王スキーパーク | 1,080m |
| 5 | 白馬八方尾根スキー場 | 1,071m |
| 6 | ロッテアライリゾート | 951m |
| 7 | ニセコ | 940m |
| 8 | エイブル白馬五竜 | 926m |
| 9 | GALA湯沢+石打丸山 | 925m |
| 10 | 天元台高原 | 900m |
※標高差は、通常営業で利用される最高滑走地点と最低滑走地点の差を基本としています。連結エリアや集計範囲によって数値が異なる場合があります。
最高標高ランキングTOP10
| 順位 | スキー場 | 最高標高 | 山麓標高 | 標高差 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 志賀高原 | 2,307m | 1,500m | 802m |
| 2 | 御嶽スキー場 | 2,240m | 1,680m | 560m |
| 2 | ピラタス蓼科スノーリゾート | 2,240m | 1,760m | 480m |
| 4 | 野麦峠スキー場 | 2,130m | 1,400m | 730m |
| 5 | 開田高原マイアスキー場 | 2,120m | 1,557m | 563m |
| 6 | パルコール嬬恋リゾート | 2,100m | 1,370m | 730m |
| 7 | 高峰マウンテンパーク | 2,073m | 1,880m | 193m |
| 8 | 丸沼高原スキー場 | 2,000m | 1,400m | 600m |
| 8 | Mt.乗鞍スノーリゾート | 2,000m | 1,500m | 500m |
| 10 | 湯の丸スキー場 | 1,965m | 1,730m | 235m |
コース数ランキングTOP10
| 順位 | スキー場・エリア | コース数 |
|---|---|---|
| 1 | 志賀高原 | 84コース |
| 2 | 菅平高原スノーリゾート | 60コース |
| 3 | 野沢温泉スキー場 | 43コース |
| 4 | ルスツリゾート | 37コース |
| 5 | 星野リゾート ネコマ マウンテン | 33コース |
| 6 | 斑尾高原スキー場 | 32コース |
| 7 | 高鷲スノーパーク+ダイナランド | 31コース |
| 8 | かぐらスキー場 | 30コース |
| 8 | ニセコビレッジ | 30コース |
| 10 | 星野リゾート トマム | 29コース |
※複数エリアを一体として数える施設と、各ゲレンデを別々に数える施設があります。コースの分割・統合によって公表数が変わる場合があります。
滑走面積ランキングTOP10
| 順位 | スキー場・エリア | 滑走面積 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | ニセコユナイテッド | 407ha | 4スキー場統合 |
| 2 | 志賀高原マウンテンリゾート | 400ha | 18エリア |
| 3 | 上越国際スキー場 | 380ha | ― |
| 4 | 蔵王温泉スキー場 | 305ha | ― |
| 5 | 苗場+かぐら(Mt. Naeba) | 300ha | 苗場134ha+かぐら166ha |
| 6 | 野沢温泉スキー場 | 297ha | ― |
| 7 | 安比高原スキー場 | 282ha | ― |
| 8 | ルスツリゾート | 236ha | ― |
| 9 | 白馬八方尾根スキー場 | 220ha | ― |
| 10 | つがいけマウンテンリゾート | 196ha | ― |
※滑走面積は公表方法に差があります。ニセコユナイテッドは別の公式表記で2,191エーカー(約887ha)とされる場合もありますが、本比較では国内比較に用いられる407haを採用しています。
大人1日リフト券価格ランキングTOP10
| 順位 | スキー場・券種 | 2026–27 | 前季 | 値上げ |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ルスツリゾート | 16,700円 | 16,200円 | +500円(+3%) |
| 2 | ニセコ全山 | 13,500円 | 12,000円 | +1,500円(+13%) |
| 3 | ニセコ東急 グラン・ヒラフ | 11,600円 | 11,000円 | +600円(+5%) |
| 3 | ニセコHANAZONOリゾート | 11,600円 | 11,000円 | +600円(+5%) |
| 5 | 軽井沢プリンスホテルスキー場 | 10,000円 | 10,000円 | 0円(0%) |
| 5 | エイブル白馬五竜 | 10,000円 | 9,500円 | +500円(+5%) |
| 5 | Hakuba47 | 10,000円 | 9,500円 | +500円(+5%) |
| 8 | 白馬八方尾根スキー場 | 9,800円 | 8,700円 | +1,100円(+13%) |
| 8 | つがいけマウンテンリゾート | 9,800円 | 8,200円 | +1,600円(+20%) |
| 10 | 志賀高原 | 9,500円 | 9,000円 | +500円(+6%) |
※大人の通常1日券を基本に比較しています。購入日、オンライン購入、繁忙日、年齢区分、利用可能エリアによって価格が異なる場合があります。旅行前に各スキー場の公式料金をご確認ください。
来場者数ランキングTOP10
| 順位 | スキー場・エリア | 来場者数 |
|---|---|---|
| 1 | 志賀高原 | 約620,000人 |
| 2 | エイブル白馬五竜+Hakuba47 | 530,888人 |
| 3 | 高鷲スノーパーク+ダイナランド | 469,000人 |
| 4 | 上越国際スキー場 | 452,000人 |
| 5 | 野沢温泉スキー場 | 451,000人 |
| 6 | つがいけマウンテンリゾート | 406,000人 |
| 7 | 白馬八方尾根スキー場 | 357,975人 |
| 8 | 苗場スキー場 | 352,360人 |
| 9 | 蔵王温泉スキー場 | 308,000人 |
| 10 | GALA湯沢スキー場 | 300,150人 |
※来場者数は同一年度・同一集計基準ではない参考比較です。シーズン、連結エリアの扱い、チケット利用者の数え方、公表範囲によって差が生じます。
TOP VERTICAL DROP
標高差の大きい日本の主要スキー場
日本のスキー場は北米やヨーロッパと比べてコンパクトですが、1,000mを超える標高差を持つ施設もあります。ここでは、標高差ランキング上位のかぐら、妙高杉ノ原、野沢温泉を、コースマップと基本データから紹介します。
1位かぐらスキー場

- 所在地
- 新潟県湯沢町
- 標高差
- 1,225m
- 山頂標高
- 1,845m
- 山麓標高
- 620m
かぐらスキー場は、かぐら・みつまた・田代の広いエリアで構成される山岳型スキー場である。標高の高いエリアは雪質と積雪量に恵まれ、シーズンが比較的長い。苗場スキー場とはドラゴンドラで結ばれ、Mt. Naebaとして広域的に楽しめることも特徴となっている。
2位妙高杉ノ原スキー場
- 所在地
- 新潟県妙高市
- 標高差
- 1,124m
- 山頂標高
- 1,855m
- 山麓標高
- 731m
妙高杉ノ原スキー場は、妙高山麓の大きな標高差と長距離滑走で知られるスキー場である。上部の山岳景観から山麓まで変化のある地形を滑ることができ、幅の広い斜面とロングコースを組み合わせて楽しめる。妙高エリアを代表する大規模ゲレンデの一つである。

3位野沢温泉スキー場

- 所在地
- 長野県野沢温泉村
- 標高差
- 1,085m
- 山頂標高
- 1,650m
- 山麓標高
- 565m
野沢温泉スキー場は、山頂部のやまびこエリアから温泉街に近い山麓まで、1,000mを超える標高差を持つ大型スキー場である。長距離滑走、多様なコース、温泉街、地域文化が一体となっている点が大きな特徴で、国内外から多くの旅行者が訪れている。
FIELD RESEARCH
世界のスキー場調査・Noteマガジン
合同会社KRBでは、現地視察、公式資料、統計、研究論文をもとに、世界各地のスキー市場とリゾートの発展を調査しています。
FAQ
日本と世界のスキー場調査に関するQ&A
この調査を行ったのは誰ですか?
合同会社KRBの代表が、国内外のスキー場の現地視察、各スキー場の公式資料、大学の研究論文、専門書、統計資料などを調査し、情報を整理しました。可能な限り信頼できる資料を参照していますが、スキー場の拡張、リフトの更新、コースの統廃合、料金改定などにより、掲載後に数値が変わる場合があります。最新情報については各スキー場の公式サイトもあわせてご確認ください。
世界のスキー場に関する論文や資料は、どのように見つけましたか?
大学の研究論文データベース、各国の公的機関、スキー関連団体、スキー場の公式資料に加え、現地の図書館や資料館を訪問して調査しました。例えば、アメリカではコロラド州のVail Public Libraryなどを訪れ、アメリカのスキー産業、スキーリゾート開発、地域史に関する資料を探しました。インターネット上の情報だけに頼らず、現地で確認できる資料も参考にしています。
日本でスキー場を研究している研究者はいますか?
日本には、スキー場やスキー観光を地理学・観光学の視点から研究してきた研究者が複数います。代表的な研究者の一人が白坂蕃先生です。白坂先生は1976年に「野沢温泉村におけるスキー場の立地と発展」を発表し、その後、志賀高原や栂池高原などを対象に、スキー場の開発と山地集落の変化を研究しました。
もう一人の代表的な研究者が、筑波大学の呉羽正昭先生です。日本のスキー場の発展・閉鎖・再編に加え、オーストリア・アルプスのスキーリゾートについても研究しています。日本とオーストリアを比較しながら、スキー観光と地域変化を地理学的に分析しています。
世界各地のスキー場を巡る場合、どのシーズンパスが便利ですか?
世界各地のスキー場を巡る場合は、Ikon PassとEpic Passが代表的です。Ikon Passは、アメリカ、カナダ、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、スイス、イタリア、オーストリア、アンドラなど、複数地域の提携スキー場を利用できます。
Epic Passは、Vail、北米最大級のWhistler Blackcomb、Park Cityなど、Vail Resortsが運営する主要リゾートに強みがあります。どちらもパスの種類によって利用可能日数や除外日が異なるため、旅行先、日数、価格を比較して選ぶことが大切です。
日本のスキー場のリフト券価格は本当に上がっていますか?
日本のスキー場の1日券価格は、全体として上昇傾向にあります。主な要因として、電気代や燃料費、人件費、リフト・ゴンドラの維持管理費、圧雪車や降雪機の運用費、設備更新費などの上昇が挙げられます。また、海外旅行者が多い大型リゾートでは、国際的な価格水準を意識した料金設定も増えています。
一方、オンライン早割、午後券、複数日券、地域共通券などを利用すると費用を抑えられる場合があります。本ページでは比較条件を統一するため、原則として大人1名の通常1日券を掲載しています。
ランキングの数値は、どのような条件で比較していますか?
各スキー場の公式サイト、公的機関、観光協会、業界資料などで確認できる数値をもとに比較しています。標高差は最高滑走地点から最低滑走地点まで、最高標高はリフトなどで通常到達できる最高地点、リフト券価格は大人の通常1日券を基本条件としています。ただし、スキー場によって公表方法が異なるため、条件を完全に統一できない場合があります。
同じスキー場でも、資料によって標高差やコース数が違うのはなぜですか?
スキー場の拡張、リフトの廃止・新設、コース名称の変更、連結エリアを含めるかどうかによって数値が変わるためです。コース数についても、1本のコースを複数区間に分ける施設と、一つにまとめて数える施設があります。本ページでは可能な限りスキー場の公式発表に合わせています。
来場者数ランキングは、どの年度のデータですか?
来場者数は年度によって大きく変わります。今回の表は、複数の公開資料から確認できた主要スキー場を比較した参考ランキングであり、全施設を同一年度・同一基準で比較したものではありません。今後、統一された最新資料を確認できた場合は更新します。
日本で初心者にも利用しやすいスキー場はどこですか?
初心者に適したスキー場は、緩斜面の広さ、初心者コースの配置、スクール、レンタル、交通アクセスなどを総合的に見て選ぶ必要があります。野沢温泉、志賀高原、白馬、苗場などの大型エリアには初心者向けコースがありますが、同じスキー場内でも急斜面や連絡コースがあるため、事前に公式コースマップを確認してください。
日本のスキー場は、いつ頃から営業しますか?
一般的には11月下旬から12月に営業を開始し、3月下旬から5月上旬に終了します。北海道や標高の高いスキー場では比較的長いシーズンになる場合があります。営業期間は降雪量、気温、積雪状況によって変わるため、旅行前に公式サイトで最新情報をご確認ください。








